mECT(修正型電気けいれん療法)とは
ECT(電気けいれん療法)は、脳に電気的な刺激を与えてけいれんを起こすことで、精神症状を緩和する治療法です。精神疾患の治療は投薬が中心ですが「いろいろな薬を試したけれど効果がない」「高齢で十分な量を服薬できない」「自殺の危険性があるなど早急な対処が必要」といった場合に、別のアプローチ方法としてECT(電気けいれん療法)が有効です。
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mECTは国内外で広く
認められている治療方法です
当院では、わずかな通電量で従来と同等の効果を得られる「修正型(=modified)ECT」を採用しているため、身体への負担を最小限に抑えられます。
副作用は施術直後に頭痛や筋肉痛、認知機能の低下(患者様によっては短期的な記憶障害)などがありますが、多くは回復します。基本的には安全性の高い治療方法で、死亡率は出産や薬の副作用によるものよりも低いとされています。
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治療は患者さまが
眠っているあいだにおこないます
名前に「けいれん」という言葉があることから、苦しい治療なのではないか?と怖く思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、全身麻酔を投与するので、治療は眠っているあいだにおわります。また、事前に筋肉をゆるめる薬を投与するため、身体のけいれんはほとんどありません。
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事前に安全性を確認し、患者さま・
ご家族さまの同意をいただきます
事前に血液検査・心電図・頭部CTなどの検査結果をもとに、患者さまが安全に治療を受けられるか、医師を中心とした検討会で話し合います。その上で、患者さま・ご家族さまへ十分な説明をおこない、同意をいただいております。治療をはじめてからも、ご自身の意思でいつでもやめることができます。
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ご入院いただき、
週2~3回の頻度で施術します
安全な施術のために身体管理をおこないますので、ご入院をお願いしております。週2~3回の頻度でおこない、6~12回で一区切りとなります。
施術は医師2名・看護師1~2名でおこないます。全身麻酔・筋弛緩薬を投与するため人工呼吸器を装着したうえで、電気刺激を与えていきます。
施術後は安静を保ち、自発呼吸再開・覚醒してからも1時間程度はモニタリングをつづけます。
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投薬治療への切り替えが基本方針です
難治性の症状の改善が報告されている治療法ですが、残念ながら、その効果は永続的なものではありません。投薬治療への切り替えが基本方針となりますので、当院でしっかりとサポートしてまいります。
- いろいろな薬を試したけれど効果がない
- 薬の副作用が強く出てしまう
- 高齢/妊娠で十分な量の服薬ができない
- 自殺の危険がある/摂食障害で命の危険がある